2019年3月5日火曜日

卒業式に読んでみてほしい詩


3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。


卒業の日にぴったりの詩を図書の大沼先生におすすめしていただきました



「祝婚歌」 吉野弘

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかがふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことをいうときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
洸を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい



「結婚する2人に贈った詩ですが、人間関係に広くあてはまり納得!」

この詩は図書館蔵書の詩集『すてきな詩をどうぞ』(川崎洋)に収められています





卒業生の旅出が幸せに満ち溢れていますように!

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